世田谷区で店舗や事業を始めるとき、「使える補助金はないかな」と探す人も多いと思います。ただ、創業時に確認しておきたいのは補助金だけではありません。
世田谷区では、創業前から利用できる相談やセミナー、創業支援資金融資あっせん、特定創業支援等事業などが用意されています。年度によっては、創業予定者や区内事業者を対象とした補助事業も実施されます。
支援制度は年度ごとに内容や募集状況が変わるため、ここでは2026年9月8日時点で確認できる制度を中心に見ていきましょう。
まず確認したい「特定創業支援等事業」
世田谷区でこれから創業するなら、早めに確認しておきたいのが「特定創業支援等事業」です。
特定創業支援等事業は、創業に必要な「経営」「財務」「人材育成」「販路開拓」の知識を継続的に身につける支援です。世田谷区では、世田谷区産業振興公社のワンストップ相談窓口や創業セミナー、金融機関等による支援などが対象になっています。
所定の支援を受けて証明書を取得すると、一定の要件のもとで次のような優遇措置につながります。
- 会社設立時の登録免許税の軽減
- 創業関連保証の利用開始時期の特例
- 日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」の貸付利率の引下げ
- 東京都「創業融資」の融資利率の優遇
- 東京都の「創業助成事業」など、証明書が関係する支援制度への申請
証明書を取得しただけで、融資や補助金を必ず利用できるわけではありません。それぞれの制度について別途要件や審査があります。
関連記事:世田谷区の特定創業支援等事業とは?(近日公開予定)
創業前から相談やセミナーを利用できる
「まだ事業計画が固まっていない」「開業資金がどのくらい必要なのか整理したい」という段階でも、世田谷区産業振興公社の創業相談を利用できます。
世田谷区内で創業を予定している人も対象で、資金繰り、事業計画、集客、マーケティング、補助金・助成金などについて中小企業診断士に相談できます。
創業に必要な知識を学びながらビジネスプランを作る「創業セミナー」も開催されています。2026年度の9~10月開催分は全5回で、「経営」「販路開拓」「財務」「人材育成」などを扱い、募集期間は2026年8月17日から9月25日までです。
この創業セミナーは特定創業支援等事業にも位置づけられているため、今後、証明書を利用する予定がある人にとっても関係する支援です。
開業資金には「創業支援資金融資あっせん」もある
店舗開業では、物件取得費、内装工事、設備、仕入れなどでまとまった資金が必要になります。補助金だけでなく、融資も含めて資金計画を考えておきたいところです。
世田谷区には、区内でこれから創業する人や、一定の要件を満たす創業後1年未満の人を対象とした「創業支援資金融資あっせん」があります。
これは世田谷区が直接お金を貸す制度ではありません。創業相談員との相談を重ねながら事業計画書を作成し、区の融資あっせんを受けた後、金融機関や信用保証協会による審査を受けます。
2026年4月1日時点の主な条件は次のとおりです。
- 資金使途:運転資金・設備資金
- 融資限度額:2,000万円
- 利用者負担利率:0.2%
- 返済期間:7年以内(据置12か月以内を含む)
利率は年度途中で変わる場合があります。
また、この創業支援資金融資あっせんは、創業者本人が相談・申請する制度で、代理者による申請は対象外とされています。
関連記事:日本政策金融公庫の創業融資|新規開業・スタートアップ支援資金の基本
補助金や伴走支援はその年度の募集内容を確認する
世田谷区では、創業者や区内事業者の新しい取組を支援する補助事業も実施されています。ただし、毎年同じ制度が同じ条件で募集されるとは限りません。
2026年度に実施されている主な制度には、次のようなものがあります。
HOME/WORK BOOSTER
「HOME/WORK BOOSTER」は、補助金だけでなく、専門家による事業計画策定から事業実施までの伴走支援を組み合わせた事業です。
2026年度は世田谷区内の小規模事業者のほか、一定の条件を満たす創業予定者も対象となっていました。
- 補助上限:180万円
- 補助率:3分の2
- 2026年度募集期間:2026年4月15日~6月1日17時
- 2026年9月8日時点:募集終了
創業予定者は、事業完了までに世田谷区内で法人登記や開業届の提出などを行う必要があります。
SETA LIGHT
すでに世田谷区内で事業を行っている場合は、「SETA LIGHT」もあります。
新製品・サービス開発、販路拡大、業務改善などの取組について、補助金と専門家による事業計画作成支援を組み合わせた制度です。
- 補助上限:50万円
- 補助率:3分の2
- 2026年度第2回募集期間:2026年9月1日~10月14日
- 2026年9月8日時点:第2回募集中
創業前の資金調達というより、開業後に新たな取組を進める段階で確認したい制度です。
中小事業者経営支援補助金
2026年度の「世田谷区中小事業者経営支援補助金」では、ホームページ制作やECサイト構築、WEB広告制作などを対象とする「ITを活用した販路拡大支援」と、設備導入を対象とする「生産性向上設備導入支援」が実施されました。
- ITを活用した販路拡大支援:上限20万円、補助率2分の1
- 生産性向上設備導入支援:上限40万円、補助率2分の1
- 2026年9月8日時点:予算上限に達したため受付終了
この制度では、交付決定前に契約等を行った経費は補助対象外とされています。
関連記事:ホームページ制作費に使える補助金・助成制度(近日公開予定)
2026年度は創業者向けの家賃補助がない
世田谷区の中小事業者経営支援補助金では、2025年度に、創業後1年以内の事業者を対象として事業所家賃を補助する「事業者区内定着支援」が実施されていました。
しかし、2026年度から区内定着支援の募集はありません。
過年度の情報が検索結果などに残っていることもあるため、「世田谷区なら創業時の家賃補助が使える」と考えず、その年度の募集状況を確認する必要があります。
関連記事:店舗家賃に使える創業支援制度|世田谷区・杉並区・東京都の助成金
東京都や国の制度もあわせて考える
世田谷区で創業する場合でも、利用できる制度は区のものだけではありません。
東京都や国、公的金融機関にも創業者向けの制度があります。たとえば、
- 東京都の創業助成事業
- 東京都の創業融資
- 日本政策金融公庫の創業融資
- 小規模事業者持続化補助金<創業型>
などです。
特定創業支援等事業の証明書が、こうした制度の申請要件や優遇措置につながることもあります。
関連記事:東京都の創業助成事業とは?対象経費・申請条件・募集時期を確認
関連記事:日本政策金融公庫の創業融資|新規開業・スタートアップ支援資金の基本
関連記事:店舗開業で使える可能性のある補助金・助成金|家賃・内装・ホームページなど
補助金を使うなら契約・発注のタイミングにも注意する
店舗開業では、物件契約、内装工事、厨房設備の購入、ホームページ制作など、開業前からさまざまな費用が発生します。
補助制度によっては、交付決定前に契約・発注した経費が対象外になります。一方、家賃助成など、申請時点ですでに賃貸借契約が必要な制度もあります。
そのため、
利用したい制度を確認する
→ 対象経費と申請時期を確認する
→ 契約・発注できる時期を確認する
→ 開業準備を進める
という順番を意識しておくとよいでしょう。
また、店舗物件は資金面だけでなく、その物件で予定する営業ができるかという許認可面の確認も必要です。
関連記事:店舗物件を契約する前に確認したい許認可|用途地域・建築・消防・営業許可のチェックポイント
まとめ
世田谷区で創業するときは、補助金だけでなく、特定創業支援等事業、創業相談、創業支援資金融資あっせんなども含めて確認しておくと、利用できる支援の選択肢が広がります。
補助制度は年度によって募集内容が変わるため、開業準備を始めた段階で、その年度に使える制度と申請時期を確認しておきましょう。
対象地域: 世田谷区
情報確認日: 2026年9月8日
主な確認資料
- 世田谷区「世田谷区の創業支援等事業について」
- 世田谷区産業振興公社「総合経営相談・創業相談」
- 世田谷区産業振興公社「創業セミナー」
- 世田谷区産業振興公社「創業融資あっせん」
- 世田谷区「HOME/WORK BOOSTER」
- 世田谷区「SETA LIGHT」
- 世田谷区「中小事業者経営支援補助金のご案内」
補助金・融資・創業支援制度は、年度途中でも募集状況や条件が変更されることがあります。実際に利用を検討するときは、最新年度の情報を確認してください。
