店舗家賃に使える創業支援制度|世田谷区・杉並区・東京都の助成金

店舗家賃に使える創業支援制度 のアイキャッチ

店舗を開業すると、売上が安定する前から毎月の家賃がかかります。

「この家賃に使える補助金や助成金はないかな?」と思ったことはありませんか?

実際に、創業時の店舗家賃を対象とする支援制度はあります。

ただし、2026年度は杉並区には創業者向けの家賃助成がある一方、世田谷区で2025年度に実施されていた家賃支援は募集されていません。

また、東京都まで範囲を広げると、世田谷区・杉並区のどちらで開業する場合でも利用できる可能性のある制度があります。

ここでは、2026年9月8日時点で確認できる主な制度を、利用するときに注意したい契約のタイミングとあわせて見ていきましょう。

目次

杉並区には創業者向けの「事業所家賃助成」がある

杉並区で創業するなら、まず確認したいのが「創業スタートアップ助成事業」です。

この制度には事業所家賃助成があり、2026年度は次の内容で実施されています。

  • 助成率:対象となる家賃の3分の2
  • 助成限度額:30万円
  • 月額上限:5万円
  • 助成期間:最大6か月

対象になるのは、杉並区内に主たる事業所があり、基準日時点で創業後6か月以内などの要件を満たす中小企業者です。

また、対象となる事業所にも条件があります。住居と兼用していないこと、申請者自身が新たに事業用の賃貸借契約を締結していることなどが必要で、シェアオフィスやコワーキングスペースなど、ほかの利用者と空間や設備を共用する形態の物件は対象になりません。

さらに、事業所が商店会の区域内にある場合は、商店会への加盟も必要です。

杉並区「創業スタートアップ助成事業」

関連記事:杉並区で創業するときに確認したい支援制度|相談・融資・補助金を整理

杉並区の家賃助成は申請前に賃貸借契約が必要

補助金について調べていると、「申請する前に契約すると対象外」という説明を見かけることが多いと思います。

ところが、杉並区の事業所家賃助成は逆で、申請時点ですでに賃貸借契約を締結していることが必要です。

ただし、契約した月から自動的に6か月分の家賃が助成されるわけではありません。

助成が始まるには、

助成金の交付決定を受ける
→ 創業する
→ 商店会等へ加盟する(該当する場合)
→ 事務所等の賃借を開始する

という条件をすべて満たす必要があり、その日の属する月の翌月から最大6か月が助成対象になります。

2026年度の申込期間は、

  • 第1回:2026年4月1日~5月29日
  • 第2回:2026年10月1日~11月30日

です。

なお、第1回については申込期間が延長されており、2026年9月8日時点でも予算に達するまで受付を継続しています。ただし、第1回は4月1日時点で創業後6か月以内であることが基準なので、今から創業する場合に第1回へ申請できるという意味ではありません。

これから創業する場合は、10月1日を基準日とする第2回の方が関係してくると思います。第2回も予算に達すると途中で受付を終了するため、対象になりそうなら申込時期は意識しておきたいところです。

また、創業スタートアップ助成では、事業所家賃助成とホームページ等作成助成の両方を申請することはできず、どちらか一方を選びます。

関連記事:ホームページ制作費に使える補助金・助成制度(近日公開予定)

世田谷区は2026年度の創業者向け家賃補助がない

一方、世田谷区では状況が異なります。

2025年度の「世田谷区中小事業者経営支援補助金」には、創業後1年以内の事業者を対象として事業所家賃を補助する「事業者区内定着支援」がありました。

しかし、2026年度から区内定着支援の募集はありません。

2026年度の中小事業者経営支援補助金は、「ITを活用した販路拡大支援」と「生産性向上設備導入支援」の2種類となっており、いずれも家賃を補助する制度ではありません。

「以前、世田谷区にも家賃補助があったはず」と思って検索すると2025年度の情報が見つかることがありますが、2026年度は使えないので注意してください。

世田谷区「中小事業者経営支援補助金のご案内」

関連記事:世田谷区で創業するときに確認したい支援制度|相談・融資・補助金を整理

東京都の「創業助成事業」も家賃が対象になる

世田谷区に区独自の家賃補助がないからといって、家賃に使える制度がまったくないわけではありません。

東京都中小企業振興公社の「創業助成事業」では、助成対象経費の一つに賃借料が含まれています。

2026年度は助成率3分の2以内、助成限度額は全体で100万円から最大400万円です。ただし、家賃だけで400万円まで助成されるという意味ではなく、ほかの対象経費や区分ごとの上限を含めた制度全体の限度額です。

また、この制度は創業予定者なら誰でもすぐに申請できるものではなく、東京都や区市町村などが実施する一定の創業支援を利用するなど、事前に満たす必要がある申請要件があります。

2026年度第2回の募集は9月29日から10月8日までですが、2026年9月8日時点で何も準備していない状態から申請要件を整える場合は、今年度の募集には間に合いません。

一方、すでに対象となる創業支援を利用して申請要件を満たしているなら、第2回への申請を検討できます。

現時点では2027年度の実施は発表されていませんが、近年は毎年実施されている制度なので、来年度も実施される可能性は高いと思います。

これから創業するなら、次年度を見据えて申請要件につながる支援を受けておくのも一つの方法です。

関連記事:東京都の創業助成事業とは?対象経費・申請条件・募集時期を確認

商店街で店舗を開くなら家賃を最長3年間助成する制度もある

さらに、都内の商店街で実店舗を開業する場合は、「商店街起業・承継支援事業」も候補になります。

2026年度は店舗の新装・改装工事、設備・備品、広告費などに加えて、店舗賃借料を交付決定日から最長3年間助成します。

店舗賃借料の助成内容は、

  • 助成率:対象経費の3分の2以内
  • 1年目:月額上限15万円
  • 2年目:月額上限12万円
  • 3年目:月額上限10万円

となっています。

3年間の店舗賃借料だけで最大444万円となり、店舗工事や設備などの事業所整備費と合わせた助成限度額は最大694万円です。

家賃を長期間支援してもらえるので、条件に合えばかなり大きな制度だと思います。一方で、申請してすぐに使えるわけではありません。

2026年度第3回の申請期間は2026年10月9日~10月30日17時ですが、交付決定日は2027年3月1日の予定です。つまり、この第3回を利用するなら、少なくとも2027年3月以降の開業を前提にスケジュールを考える必要があります。

また、この制度は杉並区の家賃助成とは異なり、申請時点で店舗の賃貸借契約を済ませている必要はありません。開業予定物件の場所や家賃などが分かる資料を提出して申請します。

東京都中小企業振興公社「都内商店街での開業助成金」

関連記事:東京都の商店街起業・承継支援事業|店舗開業で使える費用と条件(近日公開予定)

女性・39歳以下の男性なら別の制度もある

また、都内商店街で実店舗を開業する女性や、2027年3月31日時点で39歳以下の男性には、「若手・女性リーダー応援プログラム助成事業」もあります。

店舗賃借料は商店街起業・承継支援事業と同じく最長3年間が対象ですが、2026年度の助成率は4分の3以内、店舗工事等を含めた助成限度額は最大844万円です。

対象に当てはまるなら、通常の商店街起業・承継支援事業だけを見て決めず、こちらも比較した方がよいと思います。

家賃助成は物件契約のタイミングが制度によって違う

ここまで見てきた制度で、特に注意したいのが物件契約のタイミングです。

たとえば、

杉並区の創業スタートアップ助成
→ 申請時点で賃貸借契約が必要

東京都の商店街起業・承継支援事業
→ 申請時点では賃貸借契約を済ませていなくても申請可能

と、条件がまったく違います。

そのため、「補助金を使いたいなら契約前に申請すればいい」と一律に考えることはできません。

また、家賃助成を優先するあまり、許認可の確認前に物件を契約してしまうのも避けたいところです。飲食店や許認可が必要な店舗では、借りた物件で予定している営業ができないこともあります。

使いたい助成制度の契約条件を確認する
→ その物件で営業できるか確認する
→ 問題がなければ契約を進める

という順番で考えると安全です。

関連記事:店舗物件を契約する前に確認したい許認可|用途地域・建築・消防・営業許可のチェックポイント

助成が終わった後の家賃まで考えて物件を選ぶ

家賃助成を利用できれば、売上がまだ安定していない創業期の負担をかなり軽くできます。

ただ、杉並区の制度なら最大6か月、東京都の商店街向け制度でも最長3年間で助成は終了します。

また、申請すれば必ず助成を受けられる制度ばかりではありませんし、助成金は後から支払われるものもあります。

そのため、家賃助成があることを前提に「本来なら少し高い物件」を選ぶより、助成がなくなった後も無理なく家賃を払い続けられる物件かを基準に考えた方がよいと思います。

創業時の資金が足りない場合は、家賃助成だけでなく、自己資金や創業融資も含めて資金計画を組み立てておきましょう。

関連記事:店舗開業で使える可能性のある補助金・助成金|家賃・内装・ホームページなど
関連記事:日本政策金融公庫の創業融資|新規開業・スタートアップ支援資金の基本

まとめ

2026年度は、杉並区には創業者向けの事業所家賃助成がありますが、世田谷区では2025年度に実施されていた創業者向け家賃支援が募集されていません。

ただ、東京都まで範囲を広げると、創業助成事業や商店街向けの助成制度で店舗家賃が対象になる場合があります。

それぞれ対象者だけでなく、物件を契約するタイミングや助成開始時期も違います。使えそうな制度が見つかったら、家賃の助成額だけを見るのではなく、開業予定日と物件契約の時期まで一緒に確認しておきましょう。


対象地域: 世田谷区・杉並区
情報確認日: 2026年9月8日

主な確認資料

補助金・助成金の実施状況、対象者、対象経費、助成額、募集期間などは年度によって変更される場合があります。実際に利用を検討するときは、最新年度の情報を確認してください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次