看板設置時に「道路使用許可」が必要になるケースも!道路占用許可との違いも整理

看板設置時に道路使用許可が必要? のアイキャッチ

店舗の看板を設置するとき、看板の位置や工事のやり方によっては、警察署の道路使用許可が必要になることがあります。

特に注意したいのは、道路上空に袖看板・突出看板を出す場合と、看板自体は敷地内に収まっていても設置工事のために道路上で作業をする場合の2パターンです。

道路使用許可は、道路管理者から受ける「道路占用許可」とはまた別の手続きです。完成した看板が道路を使うのか、それとも設置工事の段階で道路を使うのかによって確認すべきポイントが変わってくるので、まずは道路使用許可が必要になるケースから見ていきましょう。

目次

そもそも道路使用許可とは?

道路使用許可とは、道路を通行以外の目的で使うときに、道路交通法に基づいて所轄警察署長から受ける許可のことです。

道路交通法第77条では、道路使用許可が必要となる行為として、

  • 道路で工事・作業を行う場合
  • 道路に広告板・アーチなどの工作物を設ける場合

などが定められています。

警視庁「道路使用許可申請手続きについて」でも、道路上での工事・作業と、広告板などの工作物の設置を、それぞれ道路使用許可の対象として案内しています。

店舗の看板については、この2つのうちどちらに該当するのかをまず確認することが大切です。

道路上空に袖看板・突出看板を出す場合

店舗の建物から袖看板・突出看板を出し、道路境界を越えて道路上空に設置する場合は、道路使用許可が関係してきます。
道路交通法第77条第1項第2号では、「広告板」などの工作物を道路に設けようとする場合を道路使用許可の対象としています。

このケースでは、警察署の道路使用許可だけでなく、道路管理者の道路占用許可もあわせて必要になります。

世田谷区でも、突き出し看板などで道路を使用するときは、道路管理者の道路占用許可と所轄警察署長の道路使用許可の両方が必要だと案内されています。

世田谷区「道路を使用するとき(道路占用許可申請)」

杉並区も同様で、区が管理する道路上に突出看板を設置する場合は、杉並区の道路占用許可と所轄警察署の道路使用許可がどちらも必要とされています。

杉並区「道路占用許可申請手続きのご案内(突出看板)」

関連記事:看板が道路にはみ出すなら道路占用許可も必要?|世田谷区・杉並区の場合

看板の設置工事で道路上を使うケース

もう一つ押さえておきたいのが、看板そのものは敷地内に収まっていても、設置工事のために道路を使用するケースです。

道路交通法第77条第1項第1号では、道路において工事や作業をしようとする場合も道路使用許可の対象としています。

警視庁は、道路上で行う作業の例として、

  • クレーンを使用した資材の搬出入
  • コンクリート打設

などを挙げています。

看板工事でも、作業車両や資機材を道路上に配置するなど、工事のやり方が道路上での「工事・作業」に当てはまる場合には、道路使用許可について確認しておく必要があります。

一方で、看板も作業もすべて敷地内だけで完結するのであれば、看板を設置するという理由だけで道路使用許可が必要になるわけではありません。

工事方法によって判断がつきにくいときは、看板の設置位置だけでなく、作業車両・足場・クレーンなどをどこに配置するのかもあわせて整理したうえで、所轄警察署へ確認してみましょう。

道路使用許可と道路占用許可、何が違う?

名前がよく似ていますが、道路使用許可と道路占用許可はまったく別の制度です。

道路使用許可は、道路交通の安全・円滑を確保するための許可で、警察署長から受けます。

一方の道路占用許可は、道路の地上・地下・上空に工作物などを設置して継続的に道路を使用するための許可で、こちらは道路管理者から受けるものです。

突出看板を道路上空へ設置するケースで考えてみると、

看板を道路上空に継続して設置する
→ 道路占用許可

道路に広告板という工作物を設置する
→ 道路使用許可

というかたちで、同じ一つの看板について両方の許可が関わってきます。

警視庁も、広告板などの工作物を道路に設置する場合について、道路使用許可とあわせて道路管理者の道路占用許可が必要だと案内しています。

道路使用許可はどこに申請すればいい?

道路使用許可の申請先は、看板の設置・工事を行う場所を管轄する警察署の交通規制係です。

世田谷区・杉並区とも、同じ区内に管轄する警察署が複数あるため、店舗の所在地から所轄警察署を確認しておきましょう。

警視庁「警察署一覧」

2026年9月時点で、警視庁が案内する道路使用許可の窓口受付時間は、平日の午前8時30分から午後4時30分までとなっています。

道路使用許可の申請に必要な書類は?

窓口で道路使用許可を申請する場合、警視庁は道路使用許可申請書を2部作成するよう案内しています。
必要な添付書類は、申請する内容によって変わってきます。

看板などの工作物を設置する場合

主な書類として、

  • 現場案内図
  • 設置する工作物の設計図(寸法などを記載したもの)

などが案内されています。

看板工事のため道路上で作業する場合

主な書類として、

  • 工事概要
  • 現場案内図
  • 緊急時の連絡先
  • 道路使用状況図(作業帯図)
  • 必要に応じて交通量調査結果

などがあります。

工事・作業の内容によっては、これらすべてが必要になるとは限りません。

申請書の様式や必要書類については、警視庁「道路使用許可申請手続きについて」で確認できます。

道路占用許可もあわせて必要な場合は、手続きの流れも確認しておこう

道路上空へ突出看板を設置する場合は、道路使用許可と道路占用許可の両方が必要になるため、2つの手続きを連携させながら進めていくことになります。

杉並区では、道路占用許可を申請するときに、所轄警察署へ提出する道路使用許可申請書も一緒に持参するよう案内されています。

また、世田谷区でも、突き出し看板などについては道路占用許可と道路使用許可の両方を受ける必要があるとされています。

突出看板を設置するときは、警察署への道路使用許可だけを単独で進めるのではなく、道路管理者側の道路占用許可の申請手順もあわせて確認しておくとよいでしょう。

道路使用許可には手数料がかかる

東京都内で道路使用許可を申請する場合は、申請手数料がかかります。

2026年9月時点での手数料は、

  • 工事・作業の申請:2,700円
  • 工事・作業以外の申請:2,100円

です。

この手数料は道路を使用するための料金ではなく、許可申請の審査手数料にあたります。

看板の設置についてどちらの区分で申請すればよいか分からない場合は、申請内容を伝えたうえで所轄警察署へ確認しましょう。

道路使用許可はオンラインでも申請できる

警視庁では、道路使用許可をe-Govによる電子申請でも受け付けています。

オンラインで、

  • 申請書の入力
  • 添付資料のアップロード
  • 申請

を行うことができます。

ただし、2026年9月時点では手数料のオンライン決済には対応していません。
手数料が必要な場合は、申請先の警察署へ足を運んで納付する必要があります。

→ 警視庁「道路使用許可申請手続きについて」

屋外広告物許可も忘れずに別途確認を

道路使用許可を受けたからといって、看板そのものについて必要な許可がなくなるわけではありません。
看板の大きさや設置場所などによっては、東京都屋外広告物条例に基づく屋外広告物許可も必要になります。

道路上空へ突出する看板では、

屋外広告物許可が必要か
道路占用許可が必要か
道路使用許可が必要か

を、それぞれ別の制度としてひとつずつ確認していきましょう。

関連記事:店舗の看板、実は許可がいるかも?世田谷区の屋外広告物ルールをチェック
関連記事:店舗の看板、実は許可がいるかも?杉並区の屋外広告物ルールをチェック

まとめ

看板が道路上空へ突出する場合だけでなく、看板自体は敷地内に収まっていても、設置工事のため道路上で作業を行う場合には道路使用許可が必要になることがあります。

看板の位置だけで判断せず、「完成後の看板が道路を使うかどうか」と「設置工事で道路を使うかどうか」を分けて確認するのがポイントです。


対象地域:東京都世田谷区・杉並区
情報確認日:2026年9月3日

主な確認資料

※道路使用許可の対象、申請方法、手数料等は変更される場合があります。また、実際の工事方法によって道路使用許可の要否や必要書類は異なります。看板を設置する際は、工事方法を整理したうえで、設置場所を管轄する警察署の最新情報をご確認ください。

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