壁面看板・袖看板・突出看板の違いとは?袖看板と突出看板は同じもの?

袖看板と突出看板は同じもの? のアイキャッチ

店舗の看板を調べていると、「壁面看板」「袖看板」「突出看板」といった似たような言葉によく出会います。
中でも特に分かりにくいのが、袖看板と突出看板の違いではないでしょうか。

東京都の看板安全管理ガイドでは「袖看板(突出看板)」とまとめて表記されており、両者を厳密に別の種類として区別しているわけではありません。

一方で壁面看板は、建物の壁面を利用して表示するタイプの看板で、突出する形式の看板とは設置方法そのものが異なります。

看板の呼び方だけでなく、設置方法によって必要になる許可も変わってきます。
まずは、混同しやすい袖看板と突出看板の関係から見ていきましょう。

目次

袖看板と突出看板、実は基本的に同じタイプ

「袖看板」と「突出看板」は、どちらも建物の壁面から外側へ突き出すように設置する看板を指す言葉です。

東京都の「オーナーさんのための看板の安全管理ガイドブック」でも、

袖看板(突出看板)

という名称でひとまとめに扱われています。

東京都都市整備局「オーナーさんのための看板の安全管理ガイドブック」

杉並区の道路占用資料でも、過去の資料では「突出看板(袖看板)」という表記が使われていました。こうした点から見ても、

袖看板と突出看板はまったくの別物

と捉える必要はなさそうです。

実際には、縦長の形状のものを「袖看板」と呼んだり、建物から突き出す看板全般を「突出看板」「突き出し看板」と呼んだりすることもあります。行政手続きを調べるときは、「袖看板」という言葉だけで探すのではなく、「突出看板」「建築物から突出する広告物」といった表現もあわせて確認すると見つけやすくなります。

そもそも壁面看板ってどんな看板?

壁面看板とは、建物の外壁を利用して表示するタイプの看板のことです。
店舗の正面に店名やロゴを掲げる看板が代表例といえるでしょう。

東京都屋外広告物条例の許可基準でも、

「建築物の壁面を利用するもの」

と

「建築物から突出する形式のもの」

は、別の区分として扱われています。
東京都の「屋外広告物のしおり」でも、壁面を利用する広告物は壁面の外郭線から突出して表示できないという基準が定められています。

東京都都市整備局「屋外広告物のしおり等」

つまり基本的なイメージとしては、

壁面看板
→ 建物の壁に沿って表示する

袖看板・突出看板
→ 建物の壁面から外側へ突き出して表示する

という違いになります。

設置場所が違えば、見え方も変わる

設置の向きが異なる分、通行人からの見え方にも差が出ます。
壁面看板は店舗の正面から見やすく、店名やロゴ、店舗のイメージを伝える用途に向いています。
一方の袖看板・突出看板は壁面から外側へ出す形になるため、道路や歩道を歩いてくる人から見つけてもらいやすいのが特徴です。

複数の店舗が並ぶ通りやテナントビルでは、店舗の正面まで来なくても存在を知らせやすい点が袖看板の強みといえます。

ただし道路側へ突き出す構造である分、壁面看板に比べて道路占用や安全性について確認する場面が増えやすい点には注意しましょう。

袖看板が道路上空にはみ出すなら、道路占用許可も要チェック

袖看板・突出看板を設置するときに重要になるのが、道路境界を越えているかどうかという点です。
看板が建物の壁面から突き出していても、すべて店舗の敷地内に収まっていれば、それだけで道路を占用していることにはなりません。

一方で、道路境界を越えて道路上空へ看板が出る場合は、道路管理者の道路占用許可が必要になります。
杉並区では、区が管理する道路上に突出看板を設置する際には、杉並区の道路占用許可と所轄警察署の道路使用許可が必要だと案内しています。

杉並区「道路占用許可申請手続きのご案内(突出看板)」

世田谷区においても、道路上空へ突き出す看板については道路占用許可が必要とされています。

世田谷区「道路上空に看板や日よけ等を設置するときは」

関連記事:店舗の看板が道路にはみ出す場合は道路占用許可が必要?|世田谷区・杉並区の場合
関連記事:看板設置時に道路使用許可が必要になるケース|道路占用許可との違い

壁面看板なら道路占用許可は不要なの?

「壁面看板」という名前が付いているからといって、必ず道路占用許可が不要になるわけではありません。
重要なのは看板の名称ではなく、実際に道路区域へはみ出しているかどうかです。

世田谷区の道路占用に関する資料でも、道路上空に出る看板の例として「壁面看板」と「突出看板」の両方が挙げられています。

つまり「壁面看板」という名前がついていても、取付部分などが道路境界を越えて道路上空へ出る場合には、道路占用について確認が必要になるということです。
反対に、袖看板であっても敷地内に完全に収まっていれば、道路上空の占用にはあたりません。

看板業者の商品名や一般的な呼び方だけで判断せず、道路境界と看板の位置を図面でしっかり確認することが大切です。

どのタイプの看板でも、屋外広告物許可は別途チェックを

壁面看板・袖看板・突出看板のいずれであっても、屋外に継続して表示され、公衆の目に触れる看板であれば、東京都屋外広告物条例上の屋外広告物に該当します。

ただし、

屋外広告物に該当すること

と

屋外広告物許可が必要なこと

は、また別の話です。
店名やロゴを表示する自家用広告物については、設置場所や表示面積などによって許可が不要になる場合もあります。

関連記事:店名を表示するだけでも屋外広告物になるの?〖店舗看板の基本〗
関連記事:店舗の看板、実は許可がいるかも?世田谷区の屋外広告物ルールをチェック
関連記事:店舗の看板、実は許可がいるかも?杉並区の屋外広告物ルールをチェック

高さ4m超の大型看板にも注意

壁面看板や袖看板などが大型になる場合は、屋外広告物許可以外の手続きも確認しておきましょう。
高さが4mを超える広告塔・広告板などについては、建築基準法に基づく工作物確認が必要になることがあります。

看板の名称だけで判断できる制度ではないため、大型の袖看板や壁面看板についても、構造や寸法をあわせて確認する必要があります。

関連記事:高さ4mを超える看板は工作物確認が必要?|屋外広告物許可との違い

大事なのは名前より「どう設置するか」

壁面看板・袖看板・突出看板という名称は、看板業者の商品名や資料によって使われ方が少しずつ異なることがあります。
特に袖看板と突出看板については、行政資料でも同じタイプの看板として扱われるケースが少なくありません。

許可について調べるときは、

  • 建物の壁に沿って設置するのか
  • 壁面から外側へ突出するのか
  • 道路境界を越えるのか
  • 看板の高さや表示面積はどのくらいか

といった実際の設置状況を確認するほうが重要です。

まとめ

壁面看板は建物の壁面を利用して表示する看板、袖看板・突出看板は壁面から外側へ突き出して設置するタイプの看板です。

袖看板と突出看板は、厳密に別物というわけではありません。
看板を設置するときは名称だけで判断せず、設置位置・道路への突出の有無・大きさから、必要な許可を確認しましょう。


対象地域:東京都世田谷区・杉並区
情報確認日:2026年9月3日

主な確認資料

※看板の名称は、行政資料や看板業者等によって表現が異なる場合があります。また、屋外広告物・道路占用等の許可基準は変更されることがあります。実際に看板を設置する際は、設置方法や寸法をもとに各担当窓口の最新情報をご確認ください。

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