屋外広告物の許可を受けて設置した看板は、一度許可を取ればそのままずっと掲出できるというわけではありません。
東京都屋外広告物条例では許可に期間が定められており、期間が満了した後も看板を引き続き設置する場合は、継続の許可申請が必要です。
更新時には、現在の看板の安全状態を確認するための点検書類も関係してきます。
まずは、いつまでに継続申請を行う必要があるのかから確認していきましょう。
屋外広告物の許可には有効期間がある
東京都例規集「東京都屋外広告物条例」では、屋外広告物の許可期間は2年を超えることができないと定めています。
実際の許可期間は広告物の種類などによって決まるため、すべての看板が必ず2年間というわけではありません。
現在の期限は、交付された屋外広告物許可書で確認しましょう。
許可期間を過ぎても引き続き看板を設置したい場合は、改めて継続の許可を受ける必要があります。
継続申請は許可期間満了日の10日前まで
東京都屋外広告物条例第27条では、許可期間の満了後も広告物を継続して表示・設置する場合、許可期間満了の日の10日前までに継続許可を申請することとされています。
つまり、許可期限の当日になってから「更新しよう」と手続を始めるのでは遅くなってしまいます。
期限が近づいたら、
- 現在の許可書
- 看板の状態
- 広告主・管理者に変更がないか
- 前回の許可内容から変更がないか
を確認し、余裕をもって申請準備を進めておきたいところです。
東京都都市整備局「屋外広告物の安全管理義務」でも、許可期限後も引き続き広告物を掲出する場合には更新許可が必要と案内されています。
更新時には看板の安全点検も必要になる
継続申請では、広告塔・広告板・アーチ・装飾街路灯について、屋外広告物安全点検報告書の添付が必要です。
2026年4月1日以降は、点検を許可申請前3か月以内に行う必要があり、点検結果が「要改善」の場合は、申請前に必要な補修を行います。
最新の様式は東京都都市整備局「屋外広告物関係書式」から確認できます。
点検では、看板の種類に応じて、
- 基礎部分
- 支柱
- 取付部分
- 表示面
- 照明・電気設備
- ボルトや接合部
- 腐食・変形・ひび割れ
などの状態を確認します。
屋外広告物は常に雨・風・紫外線などにさらされているため、外見だけでは分からない劣化が進んでいることもあります。
更新手続を単なる「書類の更新」と捉えるのではなく、看板を安全に使い続けられるかを確認する機会として考えることが大切です。
一定規模の看板は屋外広告物管理者による点検も必要
広告物の種類・規模によっては、資格のある屋外広告物管理者を設置し、その管理者による点検が必要になります。
東京都では、一定規模の広告塔・広告板のほか、アーチや装飾街路灯などについて屋外広告物管理者の設置を求めています。
管理者が必要となる広告物については、継続申請時にも管理者の資格を証する書類などを確認します。
杉並区が公開している広告板・広告塔の必要書類一覧でも、継続申請について、対象となる広告物では屋外広告物管理者の資格を証する書類を提出するよう案内されています。
関連記事:看板の高さが4mを超えたら要注意|工作物確認と屋外広告物許可はどう違う?
看板の内容を変えるなら「更新」だけでは済まないことも
継続申請は、基本的に現在許可されている看板をそのまま継続して設置するための手続です。
更新と同じタイミングで、
- 店名を変える
- ロゴや表示内容を変える
- 看板を大きくする
- 設置位置を変える
- 構造を変更する
といった変更を行う場合は、継続許可だけでなく変更許可についても確認しておく必要があります。
看板を更新するタイミングでデザイン変更も予定している場合は、「継続申請だけでよい」と決めつけず、変更内容も担当窓口へ伝えておきましょう。
関連記事:看板を変更するときに必要な手続|店名・デザイン・大きさを変える場合
広告主や管理者が変わっている場合も届出を確認
前回の許可から、広告主や屋外広告物管理者が変わっている場合は、継続申請とは別に変更届が必要になることがあります。
東京都では、
- 屋外広告物広告主等変更届
- 屋外広告物管理者変更届
の様式が用意されています。
特に居抜き店舗などで前の店舗から看板を引き継いだ場合は、前回の許可名義をそのままにしていないか確認しておきましょう。
関連記事:居抜き店舗に残った看板、そのまま使っても大丈夫?|許可・名義・表示変更のチェックポイント
杉並区で継続申請するときの主な書類
杉並区では、広告板・広告塔の継続申請に必要な書類を具体的に公開しています。
主なものは、
- 屋外広告物許可申請書
- 付近案内図
- 屋外広告物安全点検報告書
- カラー写真
- 他人の場所等を借りている場合の承諾書
- 申請を委任する場合の委任状
- 対象となる場合は屋外広告物管理者の資格を証する書類
- 広告主が変わっている場合は広告主等変更届
- 管理者が変わっている場合は管理者変更届
などです。
カラー写真は、広告物と建物全景との関係が分かるもので、3か月以内に撮影されたものとされています。
書類は原則として各2部提出します。
杉並区「屋外広告物許可申請書」
杉並区「〖広告板・広告塔〗屋外広告物許可申請に必要な書類」
関連記事:杉並区で看板を出すなら|屋外広告物許可の申請先・必要書類・手続きの流れ
世田谷区の継続申請は建築調整課へ
世田谷区で自己の敷地や建築物に設置している屋外広告物については、都市整備政策部 建築調整課 建築調整担当が許可申請の窓口です。
許可申請や各種届出は郵送でも受け付けています。
申請様式は東京都共通のものを使用するため、継続申請を行うときは、最新の申請書・安全点検報告書を確認しておきましょう。
世田谷区「屋外広告物を掲出するときは」
東京都都市整備局「屋外広告物関係書式」
関連記事:世田谷区で看板を出すなら|屋外広告物許可の申請先・必要書類・手続きの流れ
道路占用許可の期限も別に確認しておく
道路上空に突出している袖看板などでは、屋外広告物許可のほかに道路占用許可を受けている場合があります。屋外広告物の許可を更新したからといって、道路占用許可も自動的に更新されるわけではありません。
道路上空へ出ている看板では、
屋外広告物許可の期限
と
道路占用許可の期限
を別々に確認しておきましょう。
関連記事:看板が道路にはみ出すなら道路占用許可も必要?|世田谷区・杉並区の場合
許可期限を管理しておく
看板を設置した直後は許可期限を意識していても、店舗を数年営業しているうちに更新時期を忘れてしまうことがあります。
許可書を保管するだけでなく、
- 許可期間
- 継続申請の期限
- 道路占用許可など他の許可期限
- 定期点検の時期
を店舗の許認可管理表やカレンダーなどに記録しておくと管理しやすくなります。
特に継続申請は、条例上期限満了日の10日前までという申請期限があります。
期限直前に点検や書類準備を始めるのではなく、余裕をもって現在の看板の状態を確認しておきましょう。
まとめ
屋外広告物の許可には期間があり、許可期間の満了後も看板を設置し続ける場合は継続許可が必要です。
継続申請は許可期間満了日の10日前までに行い、更新時には安全点検や広告主・管理者の変更の有無も確認します。
看板の内容や構造も変える場合は変更許可が関係してくるため、現在の許可内容と看板の状態を確認してから更新手続を進めることが大切です。
対象地域:東京都世田谷区・杉並区
情報確認日:2026年9月3日
主な確認資料
- 東京都例規集「東京都屋外広告物条例」
- 東京都例規集「東京都屋外広告物条例施行規則」
- 東京都都市整備局「屋外広告物の安全管理義務」
- 東京都都市整備局「屋外広告物関係書式」
- 世田谷区「屋外広告物を掲出するときは」
- 杉並区「屋外広告物許可申請書」
- 杉並区「屋外広告物許可申請 手続きの流れ」
- 杉並区「〖広告板・広告塔〗屋外広告物許可申請に必要な書類」
※屋外広告物の許可期間、申請方法、点検様式等は変更される場合があります。実際に継続申請を行う際は、現在の許可書と各担当窓口の最新情報をご確認ください。
